親の介護には多大な負担がかかります。日々のケアだけでなく、心配や不安、疲れといった精神的な負担も大きいものです。そのため、親を施設に入居させることを考える方も多くなっています。一方で、施設に入居させることにも様々なメリット・デメリットがあるため、入居を検討する前によく理解しておくことが大切です。この記事では、施設入居のメリット・デメリットについて、具体的な例を交えながら解説します。
【施設入居のメリット】
まずは、施設入居のメリットについて解説します。
専門的なケアが受けられる
介護施設には、専門的なスタッフが多数在籍しています。看護師やケアマネージャー、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、様々な専門職が揃っています。そのため、必要に応じて専門的なケアを受けることができます。例えば、認知症の場合は、専門の認知症ケアを提供する施設であれば、適切なケアが受けられます。
安全で快適な環境で暮らせる
施設には、入居者の安全を確保するための様々な設備が整っています。例えば、転倒防止のための手すりや段差のない床、緊急時に対応するための救急箱や消火器、防犯カメラなどです。また、食事や入浴、排泄といった日常生活のサポートも受けられるため、安心して快適な環境で暮らすことができます。
社会交流ができる
施設には、多くの入居者がいます。同じく高齢者であるため、気軽にコミュニケーションを取り合えることができます。また、施設内には、趣味や娯楽を楽しめるスペースが用意されている場合もあります。そのため、自分と同じ趣味を持つ人と出会い、交流することができます。これによって、孤独感や寂しさを軽減することができるでしょう。
介護負担が軽減される
親の介護は、時間や体力的な負担が大きいものです。しかし、施設に入居すれば、入居者のケアを施設のスタッフが担当するため、介護負担が軽減されます。そのため、自分自身の時間を確保し、自分の趣味や仕事などに取り組むことができるようになるでしょう。
【施設入居のデメリット】
次に、施設入居のデメリットについて解説します。
費用が高額である
介護施設に入居する場合、費用は高額となります。例えば、特別養護老人ホームの場合、入居費用や月額利用料が必要となります。また、住宅型有料老人ホームの場合、家賃や食費などが必要となるため、個人の経済力によっては負担が大きくなることがあります。
自由度が制限される
施設に入居すれば、生活が施設内に限定されます。自分の好きなことややりたいことが、施設内でできるかどうかは施設によって異なりますが、自由度が制限されることは避けられません。また、自宅にいた場合に比べて、自分の時間やプライバシーについても制限があることになります。
適応に時間がかかることがある
介護施設に入居する場合、その施設に適応するまでに時間がかかることがあります。自分にとって新しい環境や生活スタイルに慣れるまでには、数ヶ月かかる
施設によっては、待機期間がある
介護施設に入居する場合、施設によっては、入居待ちの方が多く、待機期間が発生することがあります。そのため、入居までに数ヶ月待つことが必要になる場合があります。
家族との距離が遠くなる
介護施設に入居すると、家族との距離が遠くなることがあります。特に、地方に施設がある場合、家族との接触が減少することになるため、孤独感を感じることがあるかもしれません。また、入居者本人が自宅に戻ることができない場合、家族との面会も制限されてしまうため、家族とのコミュニケーションが減少することになります。
以上が、施設入居のメリットとデメリットについての説明です。これらを踏まえて、施設に入居するかどうか、よく考えて判断する必要があります。また、施設についての情報を収集し、自分や家族に合った施設を選ぶことも大切です。
